測量士補に合格して数年経ち、その間転職して今の職場にいます。
この職場は前職と同じ都市計画コンサルタントの業務をしているものの、以前より地図作成やGIS分野の業務が増えてきたために地図など測量等の知識が必要となってくる場面が増えてきました。
そこで、測量の分野の知識を深めて仕事に生かすために、今度は測量士にチャレンジすることにしました。
測量士とは
測量士とは「測量に関する計画を作製し、又は実施する者。」であり、測量に関する管理技術者として必要な測量技術や成果の管理、評価を行うことが出来ます。
そのため測量士補より更に詳しく広い知識が求められています。
測量士になるには
測量士になるには次の方法があります。
- 測量関連の科目を履修した大学、短大、専門学校を卒業し、測量に関する実務経験を1~3年を有するもの
- 測量に関する専門学校を卒業して測量士補の資格を取得し、測量に関する実務経験を2年以上有するもの
- 測量士補で測量に関する専門の養成施設で高度な専門知識を習得したもの
- 測量士試験に合格したもの
以上、4通りありますが、最初の2項目は最初から測量に関する勉強をした人向け。
3番目は測量士補になっていれば、養成施設で勉強すれば測量士の資格が取得でき、令和2年現在全国で以下の2校があります。
- 学校法人 電波学園 東海工業専門学校金山校(愛知県名古屋市)
- 学校法人 中央工学校 中央工学校(東京都北区)
1年間在学して勉強して卒業すれば取得できるものの、会社勤めは難しいのと、学校が東京都と愛知県と限られた場所にしか無いので、通学できる人が限られてきます。
やはり4番目の試験を受けて合格を目指すのがもっとも現実的かと思います。
難易度
試験の難易度については、測量士補以上に高度な知識が必要となってくることから、かなり難易度が上がっています。
また、合格率が測量士補が30~40%程度に対し、測量士が10~20%と低くなっています。
測量士と測量士補の比較
測量士と測量士補の試験に関して比較表してみました。
測量士 | 測量士補 | |
内容 | 測量に関する計画を作製し、又は実施する者。 | 測量士の作製した計画に従い、測量に従事する者。 |
受験料 | 4,250円 | 2,850円 |
試験日 | 毎年5月中旬頃 | 毎年5月中旬頃 |
試験時間 | 午前:10:00~12:30 午後:13:30~16:00 |
13:00~16:30 |
出題数 | 午前:選択問題28問 午後:記述式で1分野必須、4分野から2分野を選択で、それぞれ4問 |
選択問題28問 |
合格基準 | 午前が1問25点で400点(16問以上) かつ合計910点以上 |
1問25点で450点(18問以上) |
その他 | 試験時電卓を用意された電卓を使用。 赤、青の鉛筆も用意する。 |
|
受験者数(R1年) | 3,232人 | 13,764人 |
合格者数(R1年) | 479人 | 4,927人 |
合格率(R1年) | 14.8% | 35.8% |
試験用参考書 | 少ない | 多い |
web講習・通信教育 | 日本測量協会で主催するもののみ | 各通信教育業者などで主催している |
難易度 | 難しい | 比較的易しい |
登録手数料 | 30,000人 | 15,000人 |
試験について
測量士の試験日は測量士補と同じ日に開催されます。
試験は午前と午後に分かれていて、午前中は選択式、午後は記述式の試験となります。
午前の選択式は全部で28問あり、測量に関する知識を問う問題になっています。
合格する基準が28問中16問以上正解することになっており、15問以下の場合は足切りとなり午後の試験の採点もしてもらえません。
午後の記述式は、必須の1分野と4分野中2分野の選択問題となっています。
必須問題は、主に測量法に関することや業務の流れなどを問う問題。
選択問題は「基準点測量」「地形・写真測量」「地図編集」「応用測量」の4分野中2問選択して問題を解いていきます。
それぞれの分野ともにかなり深い事まで問う問題が多く、しかも文書を書いたりします。
合格するには午前と午後で910点以上。
配点が、午前が1問あたり25点で計700点で基準が400点以上必要。
午後が必須問題が300点、選択問題が各200点以上で計400点以上となっています。
午前の問題はとにかく正解すれば点数が積み上がるが、午後に関しては採点者の裁量で得点で決まるところがあるようです。
国土地理院の過去問題の解答も回答例となっています。
勉強方法について
実際に測量士試験を受けてみましたがかなり難易度が高く、残念ながら不合格になってしまいました。
その時の勉強方法と反省をしてこれから実践する勉強方法を書いていきます。
駄目だった勉強方法
1月に受験の申請を提出してから、測量士補試験を受けるときと同じような流れで2月から勉強を始めました。
しかし、測量士補は多くのテキストや書籍があるものの、測量士についてはほとんど無し。
民間の通信教育やweb講座も見つかりませんでした。
唯一見つけたのが公益社団法人日本測量協会が行っている通信講座のみで、募集期間が前年度の11月から1月末までというもの。
結局勉強を始める時点では通信講座の申込みが締め切られていたので、測量士補と同様に書籍と国土地理院からダウンロードした過去問題を解いて勉強していました。
それでも、午前の選択問題だいぶ解けるようになったものの、午後の筆記問題がどう書けばいいのか解らないまま、試験当日を向かえることに。
結果は午前は合格点に達したものの午後は点数が足りずに不合格でした。
合格を目指す勉強方法
ここからは、反省を踏まえてこれから実践していく勉強方法について書いていきます。
午前の選択問題については、実務を踏まえた勉強をした上で過去問題を解いていけば合格点を目指せそうです。
問題は午後の筆記試験。
前回はどのように書いていけば良いのか解らないまま試験を向かえたので、残念な結果になりました。
とはいえ、どのように解けば良いのかという解説書が無い現状なので、ここは思い切って公益社団法人日本測量協会の通信講座を受けた方が良いかもしれません。
それか同じく公益社団法人日本測量協会が例年3月上旬頃に開催する「答案練習セミナー」に参加して勉強するのも良いのかもしれません。
あとは、セミナーの内容をもとに試験日まで繰り返し勉強すれば今度は合格できるかもしれません。
またチャレンジ
自分が初めて測量士を受けたのが1年前で、その時は午前の選択問題は何とか基準点に達したものの、午後の筆記試験が散々の出来。
それで今年再チャレンジしようかと思って申込みをしようとしたら、うっかり締切を過ぎてしまい結局受ける事が出来ませんでした。
来年の試験は試験願書を忘れずに期限まで提出して、合格を目指してチャレンジしたいと思います。