土地の測量や地図の作成の業務に欠かせない測量士、測量士補という資格があります。
そのうち測量士補についてどのような資格なのかと、取得方法について調べてみました。
測量士補とはどんな資格?
測量士補と上位の資格に当たる測量士とは何かということで、測量に関する技術者の集まりである「公益社団法人日本測量協会」 によると、
技術者として「基本測量(すべての測量の基礎となる測量)」 、「公共測量(国又は地方公共団体の実施する測量)」に従事するために必要な資格
さらに詳しくみていくと
・測量士とは「測量に関する計画を作製し、又は実施する者。」
・測量士補とは「測量士の作製した計画に従い、測量に従事する者。」
ようするに測量士は測量業者が行う基本測量および公共測量の業務を計画を立てたり作成をする。
また、測量業者の営業所に必ず1人以上は配置することになっています。
測量士補は、測量士の指示に従い測量の補佐の役割を担っています。
あと、測量士および測量士補は土地家屋調査士試験の午前試験を免除されていることから、土地家屋調査士を目指す人たちが測量士補試験を受ける事が多いようです。
測量士補の資格を取得する方法
測量士補の資格を取得するのには以下の方法があります。
学校で取得する方法
学校で取るには国土地理院が指定した大学や専門学校で測量関係の教科を履修すると測量士補が取得でき、さらに実務経験を1~3年積むことで測量士の資格を取得出来ます。
学校で測量関係の勉強が出来て卒業すると取得出来るので、測量関係の職種を目指す人が高校卒業後に測量専門学校で学ぶ人が多いようです。
また、測量会社に勤めている人が会社の指示で1年間専門学校で勉強をすることで資格を取得することもあるようです。
試験で取得する方法
測量士補の試験は毎年5月下旬頃に実施(令和3(2021)年は9月12日に実施予定)されており、
主に工業高校在学中の生徒や測量関連の仕事をしている人、土地家屋調査士を目指す人などが受験しています。
試験内容は測量に関する分野の問題が出題され解答はマークシート方式になっています。
問題数が28問あり18問正解で合格。
試験時間は13時30分から16時30分までの3時間となっています。
国土地理院のサイトによると、過去5年間の合格率は約28~48%となっています。
ちなみに測量士の試験は測量士補と同じ日に行われています。
試験は午前と午後に分かれており、午前は28問出題されマークシートに回答していきます。
午後は記述式問題で必須科目1題と選択科目4題中2題選択して解答していきます。
午前中の問題で16問以上正解が必要で、15問以下だと足きりされて午後の採点もしてもらえません。
過去5年間の合格率は約10~20%程度と測量士補より低くなっています。
測量士試験の受験資格は特にないため、測量士補試験を受けずに最初から測量士試験を受けるという方法もあるが、
その分野で詳しくやっていないと難しかったり、受験用のテキストやWeb講座、通信教育などもほとんど無いことから、まずは測量士補の勉強をしてから、測量士を目指した方が良いのかと思います。
仕事が忙しい人が取得するには?
主に測量士補の資格についてまとめてみましたが、専門学校で勉強して測量士補の資格を取得すれば、その後実務経験を積むことで測量士になれます。
高校卒業後測量業界を目指したり、会社が取得を後押ししたりすればこの方法でいいのですが、普段から業務をこなしているサラリーマンではちょっと難しい。
そうなると、試験を合格して測量士補を取得するのが現実的なのかと思います。
自分の場合は
自分の本職は主に都市計画関連やGISを扱う仕事をしています。
仕事内容というと市町村に関する調査を行った結果を報告書にまとめたり、GISソフトというものを利用して分析や図面の作成を行っています。
こういった作業を行っていると地図を扱う機会が多くなり、地図自体に興味を持つようになりました。
そこで最初に測量士補の資格また試験当時の勤務先では資格を取ると手当てが出るのと当時の上司の薦めもあって、測量士補をめざすことなりました。
そこで取得方法を調べてみましたが、専門学校に通うというのは今の会社を休業または退職して入学することとなり、現実的に難しいので、必然的に試験を受験して測量士補を目指すこととなりました。
自分は元々文系の人間でして、測量に必要となる数学については高校までに学んだことはすっかり忘れていて「三角関数って何ですか」からの状態。
とりあえず1月に受験票を提出して勉強を始めようとしたところ、この業界の常として年度末にあたる3月までは残業続きで勉強する時間がほとんど確保できなかった。
この期間は昼休みや通勤時間、寝る前など隙間時間を活用して測量士補の基礎の勉強。
4月からようやく勉強時間を確保することが出来たので、試験がある5月末までの約1ヶ月半の間に集中して勉強することで何とか合格出来ました。